タイトルの「なななのか」は、7×7日で四十九日のこと。「人の生き死には、誰か別の人の生き死にに繋がっている」これは生まれ変わりの物語。亡くなって、あの世へ旅立つまでさまよう期間を経て、なななのかを迎えると、誰かに生まれ変わる。北海道芦別を舞台に、現代から大東亜戦争の時代まで遡り、戦争の悲惨さ、または3.11や原発など、現実的な題材も大きく扱っている。

一言で言えば、不思議な世界。明らかに合成とわかる背景、しかも一瞬で季節が変わったりする。生きているか死んでいるか関係なく、話し続ける登場人物たち。早口な台詞に噛み合ってない会話。最初はかなり違和感を感じるが、むしろ日常でもこんな会話をしているかもしれないと感じてくる不思議。
序盤で光男が亡くなり家に戻った際の、光男の妹・英子が泣きながら言う台詞「死んだらどうなるのよ」にはストレートに涙が出てくる。4年前に亡くなったじいちゃんを思い出した。小さい頃から可愛がってくれて、いつも優しかったじいちゃん。身近な、思い出深い人間を亡くした経験がある人なら、誰にでも響くシーンだと思う。
しかし、不思議なのがこの後。章が変わるたびに入るパスカルズさんの野を歩きながら演奏するシーン、そのストーリーとは関係ないところで何故か涙が溢れる。本当に言葉では説明できない涙。
黄色い花が一面に広がる野原、そのシーンでも涙。とにかく何でもないシーンで泣く、泣く。
理由はわからないけど、大切にしたいと思う映画になった。観て良かった。

映画にナチュラルさを求める人には合わないと思うので、無理して観る必要はないでしょう。ただ、何でもないシーンで涙が溢れる、不思議な、美しい映画です。それを経験してみたい方は是非。

2014.6.11@CIEMA



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