私の持論は、劇中で使用されている音楽を日常生活の中で聞いても、シーンが思い浮かぶ映画は良い映画であるということ。これはまさにそれ。主題歌聞いただけでじわっとくる。

主人公の杏奈は「人の輪には内側と外側があって、私は外側でいいの」って思ってるちょっと孤独な女の子。冒頭から胸にささってくる。
ひとりっこの私は、周りに大人がいることが多かったからか、小さい時から人一倍しっかりしなきゃって思っていて、何か欲しくて床に寝っ転がってだだこねたくなる時もあったけどそういうのも我慢して、”いい子”をつとめていたような気がする。それが、時には”変わった子”として見られることもあって。被害妄想とかそんなんじゃなくて、きっと子供の時はそう感じるものなんだと思う。

そういう、いつか覚えた気持ちのかけらを、もう一度パチッ、パチッ、っとはめられていく感じ。

同年代の女の子に思わず暴言を吐いた後に「わたしはわたしのとおり」と落ち込むところがまた号泣。思い出すだけで涙出る。
これは小さい時だけの気持ちではなく、今も感じること、感じていなくてはいけないこと。自分の行動こそ自分自身をうつしているものであり、それを受けて周りが感じることは自分の責任であること。それをこの一言で表していると思う。

そんなへこんだ時は特に、謎の少女マーニーを求める。杏奈の唯一の心のよりどころであるマーニーとの楽しい時間(勝手に「マーニータイム」と名付けました)にはいつも美しい景色がはさまれていて、現実か夢かわからない感覚を無意識に覚える。
マーニーっていったい誰?勘がいい人ならすぐにわかるし、最後の説明は余計っていう人もいるけど、私は途中からもう結末がわかっていても最後でまた泣きました。あの、マーニーと杏奈が実際に過ごした日々の回想があることで、可視化されてより感動するし、どうして杏奈がマーニータイムを過ごせたのか一応の納得ができるから、私的には大満足のクライマックスです。

ジブリ作品の割にはあまりバリバリの宣伝をしなかったのであまりネタバレしてないと思います。まだ観てない方は前情報は入れずに、是非今すぐ観てください。

2014.7.19@T-JOY博多



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